C++は長年にわたり、多くのソフトウェア開発で利用されてきた強力なプログラミング言語です。
特に、システム開発やゲーム開発などでの利用が目立ちます。
しかし、C++はその歴史の長さゆえに、ソースコードの構成やビルド方法が複雑になることがあります。
その中で、C++20から導入された「モジュール(modules)」という新しい構文が注目を集めています。
これにより、従来のソースコード管理方法に革命が起きつつあります。
この記事では、「ソースコード」と「モジュール」の違いを明確にし、それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説します。
ソースコードとは?

まずは「ソースコード」について復習しましょう。
C++におけるソースコードは、主に拡張子 .cpp
や .h
を持つファイルによって構成されます。.cpp
ファイルは関数やクラスの実装を含む本体であり、.h
ファイルは関数やクラスの宣言をまとめたヘッダーファイルです。
ソースコードのビルドプロセス
ソースコードを実行可能なプログラムにするには、次のような手順が必要です:
- プリプロセス(Preprocessing):
#include
や#define
などのディレクティブを処理 - コンパイル(Compiling):コードを中間言語やオブジェクトコードに変換
- リンキング(Linking):複数のオブジェクトファイルを結合し、最終的な実行可能ファイルを生成
ソースコードの課題
ヘッダーファイルは、再利用性やモジュール化を意図して作られましたが、いくつかの課題があります。
- ビルド時間の増加:ヘッダーファイルのインクルードが多いと、ビルドが遅くなる
- 依存関係の複雑さ:ヘッダーファイル間の依存関係が深いと、メンテナンスが困難になる
- 名前の衝突:同じ名前の関数やクラスが異なる場所で宣言されていると、衝突が発生する
モジュールとは?

モジュールは以下の2つの構成要素で成り立っています。
- モジュールインターフェース(module interface):他のファイルから参照される公開API部分
- モジュール実装(module implementation):内部的な実装部分で、外部には見せない

このように、import
を使ってモジュールを読み込むことができます。#include
のようにプリプロセッサを通らないため、コンパイル時間も短縮され、より明確な依存管理が可能になります。
ソースコード vs モジュール:主な違い

ここで、従来のソースコードとモジュールの違いを整理してみましょう。

この表から分かるように、モジュールは従来の方法に比べて、より近代的で効率的な手法と言えます。
どちらを使うべき?

では、実際の開発現場ではどちらを使えばいいのでしょうか?
答えは「目的と環境による」です。
モジュールを使うべきケース
- 新規プロジェクトでC++20以上を使用している場合
- 複数人での開発で依存管理を明確にしたい場合
- ビルド時間を短縮したい場合
ソースコード(ヘッダーファイル)を使い続ける場合
- 既存プロジェクトが大規模で、移行コストが高い場合
- 使用しているコンパイラやビルド環境がモジュールに未対応の場合
モジュールはまだ発展途上であり、すべての開発環境で完全にサポートされているわけではありません。
したがって、段階的な移行や、ハイブリッドな運用も現実的な選択肢です。
まとめ

C++のソースコードとモジュールの違いについて解説しました。
- ソースコードは
.cpp
と.h
ファイルで構成され、長年にわたり使用されてきた伝統的な手法です。 - モジュールはC++20で導入された新しい機能で、より安全かつ効率的な開発を可能にします。
- 両者の違いは、ビルド時間、依存関係の管理、情報の隠蔽性、再利用性など、開発効率に直結する要素に大きく関係します。
これからC++での開発を始める方、または既存のコードをモダンに保ちたい方は、モジュールの活用をぜひ検討してみてください!
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